2021/09/06 18:00


江戸切子の大場硝子加工所です。
 9月6日の黒の日に、イベント出展等で良くお問合せいただく「江戸切子の黒はどうして高いの?」についてご案内いたします。

 江戸切子はグラインダーに取付けたダイヤモンドホイール(回転工具)等を回転させて、両手で持った硝子を工具に押し当てて削ったり磨いたりして製作します。作業中の写真(瑠璃被せ硝子加工中)のように硝子の内側から工具の刃先を見て作業をしていくため、見やすい色、見えずらい色によって加工の難易度に差が出ます。特に黒は光を通しずらいため、最初に工具の刃先を硝子に当てるときにはかなり感覚に頼ることになります。
 よって、
①普段の作業に比較して、より神経を使うこと
②見えずらいので作業を慎重に進める必要があり作業時間がかかること
③経験に基づく勘に頼るところがある為、作業に従事できるようになるまでの熟練にも時間を要すること

(あくまで弊社の場合ですが)上記の理由により同じデザインでも黒は価格に差があります。

 コロナ禍以前のように、皆様と直接お会いしてお話しながらの販売機会が少ない状況です。「コレが切子加工前の吹き硝子職人さんに吹いていただいた硝子なんですよ。黒は見えずらいでしょ??」なんてお話しながら手に取って見ていただくことは、まだ難しそうなので少しずつですがご紹介できればと思っております。細かいニュアンス等、伝わりづらいところもあるかと思いますが、何卒・・暖かく見守って、時々見に来ていただけると嬉しいです。